トモデココグループでは、毎月のイベントカレンダーをお配りするときに、専門家執筆コラム「子育てに活きる豆知識」をお届けしています。
「そういうえばあのときに!」と思い出してもらえることもあるそうですが、その月が終わると捨ててしまうことがほとんど。そこで、いつでも見返せるように、ご家庭での子育ての小さな支えになればと始まったミニコーナーを、トモデココHPでもコラムとして残すことにしました。
T式乳幼児発達検査で分かる感覚と行動の偏り
こんにちは、顧問の冨樫です。
さっそくですが、トモデココを児童発達支援から利用しているみなさんには、「T式乳幼児発達検査」の記入をお願いしています。この検査のユニークな点は、お子さんの発達の状況が把握できると共に補助観察項目として「感覚と行動の偏り」が見える化できるところです。
保護者の方が「うちの子、そうかも…!?」とチェックを入れる項目で多いのが「触れられることや汚れることを嫌がる」「偏食がある」「光をまぶしがる」「すぐに疲れたという」です。
なかでも、「光をまぶしがる」という項目は、半数を少し超える保護者の方が「よく見られる」「時々見られる」にチェックをいれておられます。実はそこに、お子さんの不機嫌や体調不良の理由が隠れている場合があるのです。
「春と秋」お子様の不機嫌のワケ
春と秋は一年の内で、過ごしやすい季節です。でも、1~2割程のお子さんにとっては、つらい季節になっているようです。
その理由は脳の中にあります。
私たちは夜になると、脳の中の「松果体」という部分からメラトニンという「眠りのホルモン」が出て眠くなります。ところが、支援が必要なお子さんのなかには、日が差す時間と強さが変化することに伴うメラトニンの調整がうまくいかないため、睡眠障害で生活リズムが乱れて不機嫌になったり、動きが多くなる場合があるのです。
次回はその仕組みと対処法について触れたいと思います。
冨樫 敏彦/トモデココ顧問。児童相談所勤務時に作成した「T式乳幼児発達検査」は、現在徳島市教育委員会の標準検査とされ、就学に向けた教育相談を受ける全ての児童に活用されている。みなと高等学園の創設に携わり初代校長を務めた後、徳島文理大学児童学科で教壇に立つ。現在は、徳島県教育委員会 特別支援学級運営充実検討委員会 委員長をはじめ、各委員・講師を委託されている。
▶冨樫顧問挨拶
子育てがほんの少し楽になる
今回テーマになっている「光」への対処だけでなく、発達障がいのお子様への声掛けや工夫の正解はひとつではありません。
一人一人違ったアプローチが必要だったり、「適切な対応」というのがないからこそ、難しく、またそこには希望があります。
発達障がいのお子様を育てているご家庭では、日々の生活のなかで不安や悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。
「うまくいかないのはなぜ?」
「頑張っているのにどうして?」
「結局、私はどうしたらいいの?」
不安や悩みを一気に全部解決する方法がないからこそ、苦しいのです。
そんななかで、ちいさなヒントや工夫とともに、一歩前へ踏み出すお手伝いをするのが、私たちの役割。
この機会に、児童発達支援・放課後等デイサービス・保育所等訪問支援について知っていただけたら幸いです。